・ケタ違いの話 その2

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 茶道具売り場に足を運んだ骨董愛好家のBさん。何気なく目にした茶杓の値札を見ると…。

「18000円」。茶道をされている方、あるいは骨董品に興味のある方でなければ「茶杓の値段」と言われてもピンとこないのではないでしょうか? 「竹の棒が18000円かよ」と感じる方もいるでしょう。「茶道具だし、僧侶の書付もあるから18000円くらいするんじゃないの?」と考える方も多いと思います。しかし、この記事を読まれている方はもうお気づきかもしれません。そう、この茶杓。恐らく「180000円」と付けられるべき商品だったのです。

chashaku02.JPG この茶杓には、京都・大徳寺の僧が書を入れていました。茶道具でお寺関係の書や書付と言えば「大徳寺かそれ以外」というくらい、大徳寺関連の物は多く、また人気があります。そして、僧にも大徳寺の管長(管長代理)や塔頭の住職、大徳寺である程度修行して他のお寺にいる僧など、いわばランク的なものが存在するのです。デパートでどうかはわかりませんが、僧の書付がある茶杓で一番安い物なら18000円で売られていてもおかしくはないでしょう。しかし、この売り場で「18000円」の値札が付いていた茶杓には、大徳寺の中でも有名な高僧の書が入っていました。

 高僧の書付が入った茶杓は5本ほど。そして、値札は見事に全部「18000円」。会計すれば、さすがに気付かれるかもしれません。何せ18万(推定)が1.8万です。そんな上手い話はないだろうと思いながらも、ダメなら笑って返せば良い話。Bさんは、ドキドキしつつもそこにあった18000円の茶杓を全て買ってみることにしたのです…。

・写真は、千利休自作の茶杓。写真と本文は関係がありません。

※この話の「その3」は『裏美術売買』に掲載します。

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