・有名作家と言えど…
先日、某美術オークション会社の落札結果を見ていたら、ある有名洋画家(日本人)の油絵がやたら安く落札されていました。
安いと言っても10万単位ではあるのですが、その画家の肉筆作品は数百~立派な作品なら千万円単位になることもあります。何かの間違いかと思いましたが、扱ったオークション会社は信頼のあるところで、贋作というのも考えられません。「表記ミスかな?」と思い、手元にあったカタログを調べると…。
落札価格は間違っていませんでした。超一流洋画家の紛れもない立派な肉筆油絵です。状態も悪くありません。が、描かれているのが背広を着た「単なるオッサン」だったのです。まあ、単なるオッサンと言っても一流画家に肖像画を描かせるのだから、当時活躍したどこぞの社長か有力者なのでしょう。しかし、オッサンとは言え例えば名の知れた文豪がモデルとかならまだしも、一般的に知られていない社長や議員の肖像画ではどうにもなりません。本当に、黒い背広を着て正面を向いた真面目な顔のオッサンが描かれているだけなのです。
絵の素晴らしさがどうこう以前に、これでは飾りになりません…。その作品を気に入ったのなら良いですが、いくら作者の名前が大きくても需要が無ければ値段が付かないという良い例ではありました。
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