・人気と相場

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 デパートや個展で高い美術品だからと言って、古物(二次流通品)の相場も高いとは限りません。

 デパートなどで高く売られている(売られていた)陶器が3000円くらいで古美術商の市場によく出てきますが、人気のない作家の品や量産品ならこのくらいです。ネットオークションでも同じようなものでしょう。

 逆に、人気のある作家の品は、当然古物としても高く取引されます。これは単純に「需要」があるということなのですが、ネットオークションにしても古美術商の市場にしても、自由な競りで決められる価格が本当の相場・価値なのかもしれません。

 相場の話とは異なりますが、定価が高くても古物として値段の付きづらい商品はたくさんあります。代表的な物の一つとして挙げられるのは「剥製(はくせい)」。これは、売れない商品の王様です。勿論、一部に愛好家もいらっしゃるでしょうし新品で売っている価格は高いのでしょうが、立派なケースに入った綺麗な剥製に全く声がかからず、1000円でも売れないということは珍しくありません。このご時世、自宅にドーンと鳥や熊の剥製を置く事を考えれば、売れない理由も何となくわかります(もっとも、広い家が多い地方の市場や愛好家の市場には、別の需要があるのでしょうが…)。

 ともかく、剥製に限らず大きな物はなかなか値段が付きません。持ち運びも面倒ですし、昨今の住宅事情では大きな物を飾る人も少ないのです。同じ理由で美術・骨董品、絵画・陶器でも、あまりに大きい物はミュージアムピース級の名品でない限りなかなか売れません。

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