・美術、骨董品の梱包 その2

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 美術品を扱うショップと運送会社。この時の話し合いは、運送会社の地区担当者がショップまで足を運んで行われました。集荷のため巡回するトラックに同乗~ショップで降ろしてもらい、トラックが地区を一回りしたらまた乗って営業所まで帰るということにしていたようです。

 話し合いが終わった頃、担当者の携帯が鳴りました。どうやらトラックが戻ってきたようです。担当者が集荷のトラックで帰ると聞き、ショップ側も「ちょうど荷物があるので、持って行ってくれませんか?」ということになりました。いつも通り、発送しなければならないいくつかの美術品があったのです。

 普段は店頭でセールスドライバーに荷物を渡せばそれで終わり。ショップの人が外まで出ることはありません。このショップはソコソコ大きなビルの中にありましたし、皆さんも玄関で荷物を渡したら家の外まで見送りになど出ないでしょう。ただ、今回はドライバー以外に担当者がいます。ショップ側の責任者は、荷物をドライバーへ頼むと共に担当者を出口まで見送ることにしました。台車に荷物を積んだドライバーが先に建物の外へ。運送会社の担当者とショップの人は、細部の話を確認しつつその後で1階へと降りたのですが…。

 ここでショップの人は驚くべき光景を目にします。何と、ドライバーが先程預けた荷物を次々と荷台へ放り投げていたというのです。勿論、箱には「取扱注意」の赤シール。荷物を渡すときにもコワレモノということで渡していますし、何より陶器や絵画といった美術品を扱っているお店で品物を受け取るわけですから、中身がわからないはずはないでしょう。発送を請け負う度にポンポン投げ入れていたとすれば、破損事故が多いのもうなづけます。ある程度壊れないように梱包することは可能ですが、例えば大きな陶器や額といった重量のある品は、その重みだけで常に破損の危険性を持っているのです。

 このとき、ショップの人と運送会社の担当者2人してその光景を見ていたかどうかはわかりません。が、これを見たショップ側は、さすがに契約解除せざるを得なかったようです。これは皆さんもご存じの某有名宅配便だったのですが、勿論全てのドライバーがこんな感じというわけではないでしょう。しかし、以前は2日、場合によっては3日掛かっていた地域への配送も今や翌日に到着していたりする時代。今回のケースは論外としても、大量の荷物をできるだけ速くという作業をしていればこういう扱いになってしまうのかもしれません。  

 さて、前回記事の冒頭、「私はこれまでいくつもの品物を梱包してきました」と書きました。それこそ、数多くの美術・骨董品をです。そんな私が、梱包する際に最も厄介だと感じている物は何だと思われますでしょうか…?
※その3に続きます。 

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コメント

一瞬…陶片が頭に浮かびましたが、ブロンズや仏像などでしょうか。
いや、もっと意外なものでしょうか。

 コメント有難うございます。

 正解については「その3」の記事に書きますが、古い仏像というのも難しい品ですね。

 

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