美術売買　骨董・コンテンポラリーを中心に

　ついでに飲み物でも買おうと思って見回すと、「昔のコンビニ」というのでしょうか？　今でも地方や街道沿いでたまに見かける、コカ・コーラの看板を掲げた食品、タバコ、お菓子などを売っている個人商店を発見。営業中のようですし、店先に自販機もあるようなので寄ってみることにしたのです。

　が、お店に近づき看板を見た私は一瞬固まってしまいました。「食品」「酒」「タバコ」などと書かれた横に「骨董」と書いてあるではありませんか！　見間違いかと思いましたが、どう見ても「骨董」。こりゃ自販機どころじゃありません。早速店内へ潜入…。

　外見は先程書いた通り、今でもたまに見かけるお菓子、タバコなどを売っている昔ながらのお店そのものです。そして、実際店内に入ってみても雰囲気や並べられている品はその手のお店と変わりありませんでした。が、脇の方に品物を展示できる程度の狭いスペースがあって、確かに骨董品が並べられていたのです。実は、私自身数多くの「骨董屋さん」に入ったことがあるわけでもなく、店内の様子や売り方をたくさん見ているわけではありません。それでも「骨董＆喫茶店」という感じのお店は何件か知っていましたが、お酒や調味料、お菓子などと骨董品が同じ空間で売られている店舗を見るのは初めてのことでした。

　しかし、さらに驚く光景が。お店に置かれていた「アイスクリーム用の冷凍庫」。今、コンビニやスーパーに置かれているアイス用冷凍庫には扉がありませんが、昔ながらの水平移動して開けるガラス戸が付いてるやつです。そのガラス戸の奥の方～ちょっとした平らの部分に、仏像やら何やら大きい像の類がいくつか乗せられていたのです。つまりアイスの冷凍庫が展示台…。あまりにビックリしてしまい置かれていた品自体をよく覚えていないのですが、一つだけ覚えているのはどれもかなり高額の値札がつけられていたこと。ただでさえ開けたり閉めたりするガラス戸の近くに背の高い像がドーンと置かれているのですから、危険この上ありません。表立ったホームページですのでこれ以上細かくは書けませんが、結局そのお店で買い物はＣＣレモンとガムに終わりました（笑）。

　お店を出てしばらくの間、私は不思議な空間というか不思議な商売を見た気がして少しばかり放心状態でした。勿論、そのお店が良いとか悪いといったことではありません。商売のやり方、考え方は人それぞれ。と同時に、他者から見れば私も一応「同業」なのかな？？　と考えたとき、これまた不思議な感じを覚えずにはいられなかったのです。

　個性的な店構えをしていたり、商売・展示方法が変わっていたり、謎の美術・骨董品を売っていたり…。皆さんの近くに「骨董トワイライトゾーン」がありましたら、是非ともお知らせ下さい。