・東京 上野→秋葉原 その2
早々にダリ回顧展から撤退した私は、空いた時間をどうしようか考えました。
上野公園には他にも大きな美術館・博物館があります。古美術商としては、東京国立博物館で開催されている仏像展などを見学して勉強するべきかもしれません。しかし、ダリ展で混雑に巻き込まれた私は、とにかく人のいない所へ行きたい気分でした。行き先も決まらぬまま、とりあえず公園内を散策することに。上野の森美術館の前にある清水観音堂に立ち寄った後、動物園方面へと向かいます。
途中「上野大仏」ののぼり旗。上野大仏の存在は知っていましたが、建物というか参拝所が新しくなっているようです。そう言えば、最近新聞記事で見かけたような…。ともかく、見に行くことにしました。
大仏様と言っても、ドーンと鎮座しているわけではありません。あるのは顔(輪郭)の部分だけ。この大仏様、何度か壊れては直しを繰り返し、関東大震災で頭が落ちてしまった後は、しばらく残っていた胴の部分も大戦中に金属として供出され、結局輪郭部のみになってしまったそうです。小さなステージのようなその場所には、お土産売り場となぜか陶器売り場がありました。窯元による器がテーブルに何点か並べられていたのですが、なかなか渋い所で売るものです。売店も覗いてみようと思いましたが、その場にいるのは私だけ。人が多すぎるのも嫌ですが、あまりに人がいないというのも困りものですね。全く誰もいないとか、他の1人も私と同じ見物人というならどうということはないですが、いるのはこちらを見ている売店のオジサンのみ。お客さんのいない小さなお店に入ってしまい、レジのオジサンとマンツーマンになってしまった「わずかに気まずい感覚」というのでしょうか(笑)? どうもそんな感じが漂っているようで、結局写真も撮らず、お土産売り場も見ずでスゴスゴとその場を後にしました。※「上野大仏」の画像や情報をご覧になりたい場合は、yahoo、google等で検索してみて下さい。いろいろ出てくるようです。
動物園の方向に歩くと、五重塔が見えてきます。ここは上野東照宮。祀られているのは、徳川家康公、吉宗公、慶喜公。すぐ横にある動物園前にはたくさんの人がいるようですが、さすがにここはほとんど人がいませんでした。手でも洗うか…、ではなく参拝前に清めるかと思い手水鉢を見ると、水がない。左右にある手水鉢どちらも乾ききっています。経費削減か、別の所にあったのか…。すると何やら、モゴモゴと声が聞こえてくるのに気付きました。
※手持ちのデジカメで撮影した五重塔。木が生い茂っていてよく姿が見られませんでした。どんな物でも、近づきすぎるとかえって見えなくなるものです(画質を落としましたが、拡大してご覧いただけます)。
・その3に続きます。
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