・美術館で怪我をする…

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 美術館と言えば、癒しの場であったり安らぎの場であったりしますが、私はかつて国立美術館に展示された作品によって怪我をした事があります…。

 荒川修作という現代作家をご存知でしょうか? 日本を代表するコンテンポラリー・アーティストであり、現代美術愛好家であればまず知らない人はいないでしょう。私も大好きな作家の1人です。1991年、東京・竹橋の国立近代美術館で『荒川修作の実験展』が開催されました。内容はベルトコンベアに鑑賞者自身が乗って目を瞑りその感覚を体験するものなど、作品を鑑賞するというより作品に乗る・入る・使うなど「体験」するといったものでした。

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 一通り見終わった後、私は出入り口にあった作品(写真)にもう一度入りました。写真ではカラーリングによる効果に見えるかもしれませんが、実際に床が凸凹の立体面となっており、上からゴムかビニールのカーテンみたいなものが垂れ下がっているという作品です。何も考えずパッと入ったのですが、私は入ってしばらくした所で思い切りコケてしまいました…。

 普通の場所で転んだなら良いのですが、写真の通り床は凸凹。辺の部分にスネを打ちつけ、私はしばらく動けませんでした。痛いし血が出るしで這いずりながら出てきましたが、何と床の部分にはある一面だけ網が張ってあって足を踏み入れた時バランスが崩れるようになっていたり、いろいろ細工が施されているのでした。よく覚えていませんが、作品のコンセプトに「被験者は足を取られ、バランスを崩される」といったようなことが書いてあった気がします。私は、まんまとバランスを崩されてしまったのです。

 勿論、作者が被験者を転倒させようとして作ったものではないと思いますが、後にも先にも美術館の「作品」で怪我をしたのはこの一度だけ。それでも、作品の素晴らしさ・面白さに加え仲の良い友人と出かけたこともあり、楽しい記憶として残っています。

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