・灰皿の需要
陶器には形態~需要によって売りやすい商品、売りづらい商品があります。
1番格上は茶道具、次は酒器で、一般的に最も格下とされる商品はどうやら「灰皿」のようです。
灰皿がなぜ下に見られるのかは不明ですが、ともかく作家に関わらずあまり人気がないのは確かです。私もそうですが、現在タバコを吸う人が激減し、需要そのものがないというのもあるのでしょう。また、どこかに灰皿=ゴミを棄てる器という意識があるのかもしれません。デパートや窯元の売値では他の用途に使われる作品と大差ない価格で売られているかもしれませんが、2次流通する場合は明らかに差のある価格で取引されます。
しかし、これが西洋の器だと話は違うようです。日本製ですが、どちらかと言えば西洋骨董寄りのオールド・ノリタケを扱っている方と話したところ、灰皿は通常の物よりもコレクターズ・アイテムになっていて割高という話でした。確かに、そこで売られていた灰皿は非常に凝った作りをしていてキレイな物が多く、値段も割高だった記憶があります。陶器という括りでは格下~人気が無くとも、コレクターズアイテムになっているものなら別の価値が付くということなのでしょう。また、以前灰皿を中心とした喫煙具~工芸品を専門に集めていた日本人コレクターのブ厚い本を見たことがありますが、小物が多いだけにコレクションとしては大変面白いものでした。
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