・灰皿2題
以前、灰皿について書きましたが、骨董と灰皿にまつわる話を2つ…。
ある美術商の事務所に行った際、机の上に面白い物が置かれていました。古唐津の陶片だったのですが、どうやら灰皿として使っているようです。
陶片というと普通は鑑賞、あるいは研究の対象くらいにしかならないものです。が、形状によっては灰皿に使うのも面白いですね。私はタバコを吸いませんが、陶器の壊れた姿と吸殻がやたらマッチして(?)見えました。高い物ではないそうですが、古染付や古信楽など気分によって灰皿に使う陶片を変えているそうです。
今度は、嫌な気分になった話。古美術業者はタバコを吸う方も多いのですが、交換会や何かの集まりの際、たまに灰皿が足りなかったり、あるいは全然無かったりすることがあります。通常、空き缶等を使う人が多いですが、ある業者が商品である陶器の中に灰を落としていてちょっと驚きました。最初から灰皿として使っているならともかく、これから売る商品に(しかも灰皿とは違う用途の物に)灰を落とすとは…。
その時は少し嫌な気分になったくらいで、しばらくするとそんな出来事も忘れてしまいました。しかし、後日その人から商品を買った後「アッ」と思う出来事が。私が買ったのは高名な現代作家の花入でしたが、何とタバコの灰が入っていたのです。さすがに吸殻本体は入っていなかったものの、何でも灰皿にしてしまうその古美術商の姿を思い出しました。
買った品は花入で茶碗や食器とは違うものの、何とも嫌な気分になるものです…。
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