・GWのドライブで その1
GW前半のある日、私は友人とドライブに出かけました。
地方のある街へ行き、名物を食べて帰ってくるという大した目的もないドライブでしたが、郊外に行くと街道沿いに骨董・古道具屋さんがあるものです。調べてから行った訳ではないものの、見つけたら寄ってみようかとも考えていました。しばらく走っていると、それらしいお店を発見。友人共々、早速中へ入ってみることに…。
お店は一軒家でソコソコ広かったのですが、商品で足の踏み場がないという状態。郊外へ行くと、陶器や絵、仏像、刀剣、西洋アンティーク、おもちゃ、LPレコード、雑貨品、ゴミと何でもかんでも置いてあったりするお店をたまに見かけますが、まさにそんな所でした。商品を踏まないよう店内を歩くと、あるぐい呑(2個組)が。しかし、箱の下だけあって箱書されているはずの蓋がありません。
「あのー、この箱の蓋ありませんか?」「蓋? あー、その辺にないかな、どれどれ…」。店主のオジサンがガサゴソ探し始めました。が、別の品の蓋が出てきただけでついに見つかりません。私は再度オジサンに声を掛けてみました。「箱無で良いから安く売っていただけませんか?」「これ? ちょっと待って」。オジサンは、やおらルーペを持って作品を「鑑定」。現代作家のわかり易い陶器なのですが、何を調べようとしてルーペを取り出したのか…。「うん、これは○○焼だね」。「そんなもん、ルーペで見なくても分かるだろぉ~」と一瞬ツッコミたくなりましたが、私も同業ですと話したわけではないので、「そうですかぁ~。なるほど~」などと適当に相槌を打っていました。相手の気分を害さないのが、安く買う一つのポイントです。
が、○○焼の説明はあっても、銘があるのに肝心の作者には全く触れていません。チャンス! 「おいくらになりますか?」「2000円だねぇ」「1500円になりませんか?」「うーん、いいよ」。こうして箱無ではあるものの、私は某有名作家のぐい呑を2個1500円で買ったのでした。箱無ですから売っても大した金額にはならないでしょうが、この価格で買えるなら満足。自分で使うにしても、プレゼントするにしても良いでしょう。「またきます」。オジサンに挨拶して、お店を後にしました。
ちなみに、このお店で他に目ぼしい品はありませんでした。値段の高い安いではなく、欲しい品自体が私には見つけられなかったということです。一緒にお店に入った、骨董に全く興味のない友人がポツリと私に言いました。「どうやって生計を立てているのかな…」。いや、人それぞれの商売があるのでしょう。もしかしたら、裏では私などが扱えないような「超名品」を扱っているのかもしれません…。などと考えつつ、友人と車内へ戻りました。
※その2に続きます。
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