・情報の価値 その2
いくつかの記事で書いていますが、美術商というのはある意味「情報の商売」ということもできます。
いくつかの記事で書いていますが、美術商というのはある意味「情報の商売」ということもできます。
骨董品や現代美術品の売買において、自分の持っている情報に実際どれほどの価値があるのかはわかりません。誰でも知りうるものなら10円程度の価値しかないかもしれませんし、美術商同士の付き合いからもたらされた限られた情報やネット等で上手く拾い出したものなら、場合によっては高い価値を持つ場合もあるでしょう。
※この記事は、2006年に掲載したものです。現代美術の価格・相場は、短期のうちに変わりますので掲載時期を考慮された上でお読み下さい。
ある画廊へ遊びに行ったときの話です。この画廊では過去のオークションカタログをたくさん保存していて立ち寄るたびにパラパラと捲ったりするのですが、毎回話題となるのが「かつての落札価格」。大手オークション会社が各地にオープンするちょっと前くらいのカタログや落札価格を見ては「いやー、高かったね」とか「狂乱の値段」などと冗談交じりに話すのが楽しみというか、恒例行事になっていました。
今回の記事で「バブルどころじゃない」と書いているのは、いま現代美術界で人気がある40代を中心とした日本人作家や、その下にいる若手作家の話ではありません。こういった作家の品は、前回の記事に書いた当時のオークションで1万円~10万くらいだったものが、現在10万~100万、あるいはそれ以上になってます。これは現代美術に詳しい方なら周知の事実で話題にもならないでしょう。
前回の続きです。画廊主の話に、私は一昔前のある出来事を思い出していました。
現代美術ファンなら、東京都現代美術館に足を運ばれた方も多いでしょう。木場にある、大型のコンテンポラリー・ミュージアムです。そこに収蔵されているロイ・リキテンシュタイン…。と書けば、以前の騒動を思い出されるアートファンがいらっしゃるかもしれません。
一昔前のオークションカタログにあった現代美術品。その落札価格を見ると、現在との違いに改めて驚かされる場合があります。絵画を中心とした一般的な美術作品の価格も変動してはいますが、この大きな変化は現代美術ならではの動きとも言えるのでしょう。
少し変な例え話かもしれませんが、数十年前の大ヒット曲でも今となってはその世代の人にしか聴かれなくなってしまった、あるいは「懐かしの名曲」といった番組ですら紹介されなくなった曲がたくさんあります。それらの曲も決してデキが悪いとか、価値がないということはないでしょう。「名曲」と呼ばれている作品も多いかもしれません。
その作家と出会ったのは、あるアート系イベントの会場でした。
前回の続きです。私はその若い画家から作品を買うことにしました。
前回の続きです。私はそのブースに足を止めることはありませんでした。
『美術売買 骨董・コンテンポラリーを中心に』では、記事を読まれた皆様からのコメントをお待ちしております。
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